業種別KPI設定ガイド - 失敗しないための実践ポイント
- KPI設定のよくある課題
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- 「なんとなく」データは見ているものの、活用しきれていなく具体的な改善に結びついていない
- 部門間でゴール設定が異なり、効果的な施策が打ち出せていない
- これからKPIを設定し、PDCAを回す仕組みを作る必要がある
なぜKPIが必要なのか?成功と失敗を分ける鍵
Webサイトの改善を進める上で、多くの企業が「なんとなく」データは見ているのだけれど、改善がうまくいかないといったシーンが散見されます。「アクセス数が増えているから良さそう」「問い合わせが減っているから何か対策が必要かも」といった感覚的な判断で、重要な意思決定を行っていませんか?
実際に、以下のような課題を抱える企業が増えています。
- データを見ているのに、具体的な改善に結びつかない
- 複数の指標が悪化しているが、どこから手をつければよいか分からない
- 部門間でゴール設定が異なり、効果的な施策を打ち出せない
このような状況では、どれだけ施策を実施しても、成果を最大化することは困難です。KPIの適切な設定と運用が、Webマーケティングの成功と失敗を分ける重要な鍵となっています。
KPIを設定する前に知っておくべき3つの基本原則
効果的なKPI設定のために、まず押さえるべき3つの基本原則をご紹介します。
1. ゴールの明確化
Webサイトを通じて「最終的に何を達成したいのか」を明確にすることが重要です。例えば、売上向上が目標なら、その具体的な数値目標と達成時期を設定します。また、営業部門はリード獲得数、マーケティング部門はブランド認知度など、部門によって異なる目標を持つことがありますが、これらが相互に整合性を取れるよう調整することも必要です。
- 最終的なビジネスゴールの設定
- 中間目標の具体的な数値化
- 部門間での目標の整合性確保
2. データの正確性担保
いくらKPIを設定しても、収集するデータが不正確では意味がありません。アクセス解析ツールの導入だけでなく、正しく計測できる環境を整備することが重要です。データ収集の手順を標準化し、異常値が発生した際の対応プロセスも事前に決めておきましょう。
- 計測環境の適切な設定
- データ収集プロセスの標準化
- 異常値の検知と対応方法の確立
3. 測定可能な指標の定義
具体的にどのようにデータを測定し、どのような形で報告するかを明確にします。例えば、「ユーザー満足度」という指標は、アンケート結果やNPSスコアなど、具体的な測定方法を定義する必要があります。また、各指標間の関連性を整理し、どの指標の改善が最終目標の達成に寄与するのかを明確にしましょう。
- 具体的な測定方法の明確化
- 指標間の関連性の整理
- レポーティング方法の標準化
業種別に見る成功するKPIの実例
1. EC・小売業
主要KPI
- CVR(商品購入率)
- 客単価
- 再購入率
- カート放棄率
【成功事例】
アパレルECサイトでは、カート放棄率の改善に焦点を当て、カート放棄率を改善。これにより月間売上も向上しました。
2. B2B製造業
主要KPI
- 資料請求数
- お問い合わせ数
- 製品仕様書のダウンロード数
- 見積り依頼数
【成功事例】
工作機械メーカーでは、製品仕様書のダウンロード数を主要KPIに設定。ターゲット業種別のコンテンツ最適化により、問い合わせ数が前年比で増加しました。
3. 金融・保険業
主要KPI
- シミュレーション実施回数
- 申し込みフォーム完了率
- 商品説明ページの滞在時間
- FAQ閲覧率
【成功事例】
保険商品のオンライン申し込みでは、商品説明ページの改善により滞在時間が大きく増加。結果として申込率も改善されました。
KPI設定後に必ずおこなうべきデータ収集と分析のポイント
KPIを設定したら、次は実際のデータ収集と分析のフェーズです。ここでは、効果的なデータ活用のための3つのポイントをご紹介します。
1. データ収集の基盤整備
正確なデータ収集なくして、適切な分析は望めません。GA4への移行を機に、計測の基盤を見直すことをお勧めします。特に複数のドメインをまたぐ場合は、クロスドメイントラッキングの設定が重要です。また、問い合わせや資料請求といったコンバージョンの計測は、できるだけ詳細に設定しましょう。
- GA4による正確なデータ収集設定
- クロスドメイントラッキングの適切な設定
- コンバージョン計測の精緻化
2. データの可視化と分析
収集したデータは、チーム全体で共有・活用できる形に可視化することが重要です。リアルタイムでのモニタリングにより、異常値の早期発見が可能になります。また、ユーザーセグメント別の分析や、各タッチポイントの貢献度を評価するアトリビューション分析も効果的です。
- ダッシュボードによるリアルタイムモニタリング
- セグメント分析による詳細な行動把握
- アトリビューション分析による貢献度評価
3. 改善施策への落とし込み
分析結果は、具体的な改善施策に結びつけることが重要です。A/Bテストを活用して仮説を検証し、ユーザーの行動分析から具体的な課題を特定します。限られたリソースで最大の効果を得るため、改善施策の優先順位付けも忘れずに行いましょう。
- A/Bテストによる仮説検証
- ユーザー行動分析による課題特定
- 改善優先順位の明確化
KPIを成功に導くためのチェックリストと実践ガイド
KPI設定前の準備
- ビジネスゴールの明確化
- 現状の課題整理
- 計測環境の確認
KPI設定時のポイント
- 業界特性の考慮
- 測定可能性の確認
- 目標値の設定
運用開始後のチェック項目
- 定期的なデータ確認
- 異常値の検知と対応
- 改善施策の実施
【まとめ】KPI設定でデータ活用の可能性を最大化する
適切なKPI設定はWebサイトの成果最大化への第一歩です。しかし、設定したKPIを効果的に活用し、継続的な改善につなげることが、さらに重要です。
当社のデジタルマーケティングPDCA支援サービスでは業界知見を活かした最適なKPI設定から継続的な改善支援まで包括的なサポートを提供しています。まずは現状の課題やお悩みについてお気軽にご相談ください。
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デジタルマーケティング PDCA支援サービスでは「DMAIC プロセス」で Web サイト改善をサポートします。Web サイトの目標や KPI に合わせたデータの計測⽅法を設計・設定し、そのデータをもとに分析。
さらに、分析結果に基づく具体的な改善施策やUI/UX の⾒直しを進め、PDCA サイクルの施策実行を通じて Web サイト全体の成果最大化をお手伝いします。
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